ブルース・リーの唯一の師にして、詠春拳の達人として人々の尊敬を集めた実在の武術家イップ・マンの半生を描き、中国語圏をはじめ世界中で大ヒットを記録したドニー・イェン主演/ウィルソン・イップ監督の『イップ・マン』シリーズ。その第3作『イップ・マン 継承』で詠春拳の正統をめぐってイップ・マンに挑戦し、敗れた男チョン・ティンチ。一度は武術を捨て、幼い息子とともに新たな人生を歩み始めた男がいま、正義のために再び拳を握る…。


『グランド・マスター』、『ドラゴン・マッハ』など数々の傑作で強烈な印象を残し、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ジェット・リー、ドニー・イェンといった香港トップスターの跡目を継ぐ新世代アクション・スターとして全世界が注目するマックス・チャン。その人気を決定付けた当たり役チョン・ティンチを主人公にした完全主演作がついに完成。『パシフィック・リム:アップライジング』などハリウッド進出も果たして波に乗る《香港アクションの最終兵器》が、ここに完全覚醒を果たす。


監督はジャッキー・チェンの『ドランクモンキー 酔拳』から、『マトリックス』、『キル・ビル』などのハリウッド大作まで手がけるアクション界の大巨匠にして、香港映画界の伝説ユエン・ウーピン。自身のアクション・チームで長年育てた愛弟子マックス・チャンのために直々にメガホンを取り、自らの「ベストの1本」と語る究極のマーシャルアーツ・アクション・ムービーの傑作を仕上げた。


『グリーン・デスティニー』、『メカニック:ワールドミッション』のミシェル・ヨ―、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのデイヴ・バウティスタ、『マッハ!』シリーズ、『トリプルX:再起動』のトニー・ジャーという国際派アクション・スターをはじめ、TVシリーズ「イップ・マン」ではイップ・マンを演じた香港TV界のトップスター、ケビン・チェン、『ドラゴン・コップス -微笑捜査線-』のリウ・イエン、『新少林寺/SHAOLIN』のシー・イェンネン(シン・ユー)、『29歳問題』のクリッシー・チャウなど、超豪華キャストがここに結集。緊張みなぎる壮絶なアクションと、感動的な再起と復活のドラマを繰り広げる。

1960年代の香港。高度経済成長に沸く街の裏側では犯罪組織が醜い勢力争いを続けていた。詠春拳の正統争いでイップ・マンに挑み、敗れたチョン・ティンチは武術界を去った。彼は闇の仕事からも足を洗い、小さな食料品店を営みながら息子フォンと共に穏やかな生活を送り始めていた。ある日、ティンチは街を仕切る犯罪組織の幹部キットとその手下に追われていたナイトクラブの歌手ジュリアとホステスのナナの窮地を救う。だが、そのことで彼はキットの恨みを買い、住居兼食料品店に放火されて店も住む場所も失ってしまう。ジュリアはそんなティンチ父子を、ナイトクラブを経営する兄フーに紹介し、仕事と住居の世話をする。一方、香港屈指の犯罪組織の女ボス、クワンは将来を見据え、組織を合法的企業にしようと考えていたが、弟のキットはそれに反対、ヘロイン密売組織の黒幕デヴィッドソンと手を組む。やがて、ヘロイン密売をめぐってティンチの恩人たちが次々と命を落としていく。怒りに燃えたティンチは、封印していた武術を正義のために使うべく、悪の巣窟へとたった一人で乗り込むのだった…。

マックス・チャン
(チョン・ティンチ役)
MAX ZHANG (張晉)

1974年5月19日、中国の重慶市生まれ。幼い頃から武術を学び、数々の大会で賞を獲得とした彼は、98年、25歳のときにユエン・ウーピンのアクション・チーム(袁家班)に参加し、武術指導のアシスタントやスタントマンとして『グリーン・デスティニー』(00)などに参加、01年にのウーピンの製作会社、和平創作室の第1回作品『アルティメット・バトル/忍者VS少林寺』(未)で演技者として映画デビューを果たした。このときはまだマックスではなく、ジョン・チャンという英語名だった。彼はその後も、和平創作室の企画『テラコッタ・ソルジャー』(03・未)や『カンフー無敵』(05)、『少林キョンシー』の続編“少林殭屍天極”(06・未)、ジャッキー・チェン製作、サモ・ハン主演の『拳師〜The Next Dragon〜』(08・未)に参加して準主演や特別出演級の役を演じ、演技とともに圧倒的身体能力で華麗なアクションを見せ、『流浪漢世界盃/影音使團』(09・未)、『愛情維修跕』(10・未)、『懸紅』(12・未)などの非アクション映画でも演技者として重要な役を演じる一方、『英雄〜HERO〜』(02)でのドニー・イェンのスタントをはじめ、『チャーリーズ・エンジェル:フルスロットル』(03)、『デアデビル』(03)、『女帝(エンペラー)(06)などの作品に武術指導助手やスタントマンとして参加した。彼が演技者として大きく注目されたのは、ウォン・カーウァイ監督の『グランドマスター』(13)だった。第33回香港電影金像奨助演男優賞を獲得した同作で彼は“悪”を演じることに目覚め、一気に輝き始める。『ゴッド・ギャンブラーレジェンド』(14)、『ライズ・オブ・レジェンド-炎虎乱舞-』(14・未)、そして『ドラゴン×マッハ!』(15)と“強過ぎる悪”を極め、作品における最大のインパクトとしてパワフルな輝きを放ち始めた彼は、ついに『イップ・マン継承』(15)で“チョン・ティンチ”という一世一代の当たり役をものにして、中国語映画圏で最も注目されるアクション・スターとなった。17年にはソイ・チェン製作、名助監督ジョナサン・リーの初監督作『狂獣欲望の海域』に主演、さらに『パシフィック・リム:アップライジング』(18)でハリウッド・デビューも果たした。現在フルーツ・チャン監督の“九龍不敗(THE INVINCIBLE DRAGON)”、シルベスター・スタローンと共演する “ESCAPEPLAN3:DEVIL'S STATION”、ジェフ・ラウ監督の“十吨刺客(ASSASSINS AND THE MISSING GOLD)”が公開待機中。

デイヴ・バウティスタ
(デヴィッドソン役)
DAVE BAUTISTA

1969年1月18日、アメリカのワシントンD.C.生まれ。“アニマル”のニックネームで人気を博したWWEのスーパースター。09年に『狂気の行方』(未)の端役で映画デビュー。ロブ・ヴァンダム と共演した『奪還』(10・未)を経て、『ライジング・サン〜裏切りの代償〜』(11)で初主演。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17)のドラックス役で世界的人気を獲得した。主な出演作には他に『アイアン・フィスト』(12)、『007スペクター』(15)、『キックボクサーリジェネレーション』(15)、『マローダーズ/襲撃者』(16)、『ブレードランナー2049』(17)、『ブッシュウィック−武装都市−(17)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)がある。最新作はシルベスター・スタローンと共演の『大脱出2』(18)。

ミシェル・ヨー
(クワン役)
MICHELLE YEOH (楊紫瓊)

1962年8月6日、マレーシアのイポー生まれ。83年のミス・マレーシアで、サモ・ハンに見出され『デブゴンの怪盗紳士録』(84・未)で映画デビュー。主演デビュー作『レディ・ハード/香港大捜 査線』(85)、続く真田広之との共演作『皇家戦士』(86)が大ヒットし、新興映画会社D&Bの看板女優となるが、87年にD&B社長で宝石商のディクソン・プーンと結婚して一時引退。92年に『ポリス・ストーリー3』(92)で女優復帰してからは引退前以上に精力的に活動。香港を代表するアクション・クイーンとなった。97年に『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』でボンド・ガールに選ばれると、以後世界を股にかけ『グリーン・デスティニー』(00)『SAYURⅠ』(05)、『サンシャイン2057』(07)、『ハムナプトラ3呪われた皇帝の秘密』(08)などの大作、話題作に数多く出演。『TheLady アウンサンスーチー引き裂かれた愛』(11)ではタイトルロールを演じた。最新作はメル・ギブソン,ナオミ・ワッツらと共演するSF“BOSSLEVEL”。ユエン・ウーピン監督作には『レディファイター/詠春拳伝説』(94・未)、『マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限』(94・未)、『酔拳レジェンド・オブ・カンフー』(10)、『ソード・オブ・デスティニー』(16•未)に出演、その他の出演作には『スタントウーマン/夢の破片』(96)、『宗家の三姉妹』(97)、『バビロンA.D.』(08)、『レイン・オブ・アサシン』(10)、『メカニック:ワールドミッション』(16)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17)、『クレイジー・リッチ!』(18)などがある。

トニー・ジャー
(殺し屋役)
TONY JAA

1976年2月5日、タイのスリン県生まれ。15歳のとき、タイ・アクション界の巨匠パンナー・リットグライのもとでスタントを学び、スタントマンとして数多くのタイ映画や香港映画に出演。03年、タイ映画『マッハ!』に主演。まさに体当たりのアクションを披露した同作は彼を国際的に有名にしただけでなく、タイ映画全体に世界の目を向けさせることになった。続く『トム・ヤム・クン!』(05)も大ヒットし、『マッハ!弐』(08)では監督にも進出。『マッハ!参』(10・未/兼監督)、『マッハ!無限大』(13)を経て、13年には『ワイルド・スピードSKY MISSION』でハリウッド・デビューを果たすが、主演のポール・ウォーカーの事故死によって作品は15年の完成となり、その間にタイ・アメリカ合作の『バトルヒート』(14)に主演。『ドラゴン×マッハ!』(15)、『トリプルX:再起動』(17)、『SPL狼たちの処刑台』(17)と、近年は香港・中国、ハリウッドの作品に数多く出演している。最新作はイコ・ウワイス、スコット・アドキンスらと共演する“TRIPLE THREAT”。人気ビデオゲームの映画化“MONSTER HUNTER”が撮影中である。

リウ・イエン
(ジュリア役)
LIU YAN (柳岩)

1980年11月8日中国の衡陽市生まれ。女優、歌手、司会者としてマルチな活躍を続ける中国の人気タレント。『画皮あやかしの恋』(08)で映画デビュー。その後『チャイニーズ・フェアリー・ストーリー』(11・未)、『ドラゴン・フォー2秘密の特殊捜査官/陰謀』(13)、『ドラゴン・コップス-微笑捜査線‐』(13)、『黒い殺意』(13)、『ドラゴン・フォー3秘密の特殊捜査官/最後の戦い』(14)、ユエン・ウーピン監督の『奇門遁甲』(17)などの作品に出演している。

ケビン・チェン
(キット役)
KEVIN CHENG (鄭嘉穎)

1969年8月15日、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。アメリカの大学を卒業後、93年に歌手としてデビュー。同年“廣東五虎之鐵拳無敵孫中山”で映画デビュー。99年に台湾のTVドラマ“絶代双驕”に出演、その後、香港のTVBのドラマに数多く出演、主演した“怒火街頭”(11)は特に高く評価された。さらに中国のTVドラマ「宮廷女官若曦(ジャクギ)」(11)、「諍い女たちの後宮」(11)「女たちの孫子英雄伝」(12)などに出演して圧倒的な人気を獲得、TVシリーズ版「イップ・マン」ではイップ・マンを演じた。映画の出演作には『秋瑾〜競雄女侠〜』(11)、『ドラゴン・コップス‐微笑捜査線‐』(13)、『イップ・マン最終章』(13)などがある。最新作はマックス・チャン主演の“九龍不敗”とルイス・クー主演の“L風暴”。

パトリック・タム
(サン役)
PATRICK TAM (譚耀文)

1969年3月19日、香港生まれ。89年に歌手としてデビューし、映画、TVに数多く出演。映画デビューは『銃弾に追われた街』(90・未)。『BEAST COPS 野獣刑警』(98)で香港電影金像奨助演男優賞を受賞。出演作には『パープル・ストーム』(99)、『決戦・紫禁城』(00)、『恋するブラジャー大作戦』(01・未)、『THE MYTH/神話』(05)、『風雲ストーム・ウォリアーズ』(09・未)、『冷血のレクイエム【極限探偵B+】』(11)、『ファイアー・レスキュー』(13)などがあり、本作では『イップ・マン継承』(16)で演じた役柄を引続き演じる。

クリッシー・チャウ
(ナナ役)
CHRISSIE CHAU (周秀娜)

1985年5月22日、中国の広東省潮州市生まれ。05年に芸能界入り、セクシーな魅力で映画、音楽、広告業界で引っ張りだこの存在となる。09年に発売した写真集が大ヒット・セールスを記録、10年8月のセカンド写真集「Les Vacances d'Amour」は日本でも発売され、来日イベントも行った。06年に“打雀英雄傳”で映画デビュー後、すでに50本以上の作品に出演している。主な出演作には『ビーチ・スパイク!』(11・未)、『西遊記〜はじまりのはじまり〜』(13)、『スリー・アサシンズ〜女たちの復讐』(17・未)、『29歳問題』(17)がある。また、TVシリーズ版「イップ・マン」(13)にも出演している。

シー・イェンネン(シン・ユー)
(フー役)
NAASON (釋延能)

1978年12月27日山東省章丘区生まれ。12歳で少林寺に入門した少林寺第32代の弟子。97年に“皇帝也風流”で映画デビュー後、『復活死亡遊戯』(03・未)など数多くの作品に出演、04年チャウ・シンチー監督主演の『カンフー・ハッスル』で大役に抜擢され、続く『西遊記〜はじまりのはじまり〜』(13)にも出演。ドニー・イェン主演作『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』(06)、『導火線FLASHPOⅠNT』(07)、『イップ・マン序章』(08)、『孫文の義士団』(09)、『カンフー・ジャングル』(14)で鮮やかな格闘技を見せて国際的にも認知され、サモ・ハンがアクション監督を務めた主演作『キング・オブ・ヴァジュラ金剛王』(13・未)も好評を得た。出演作には他に『新少林寺/SHAOLIN』(11)、『レクイエム-最後の銃弾-』(13)、『コール・オブ・ヒーローズ武勇伝』(16)、『スマート・チェイス』(17)などがある。

監督:ユエン・ウーピン
YUEN WOO-PING(袁和平)
1945年1月1日、中国広東省広州市生まれ。父は香港映画界初の武術指導家にして、ジャッキー・チェン主演の『スネーキーモンキー蛇拳』(78)、『ドランクモンキー酔拳』(78)の老師匠役で日本でも人気のユエン・シャオティエン。父について幼い頃から撮影所に出入りし、60年代前半からスタントマンや端役俳優として映画に出演。71年の『瘋狂殺手』(未)で弟のユエン・チョンヤンとともに初の武術指導となり、カンフー映画ブームに乗って数多くの作品の武術指導をこなした。78年に『スネーキーモンキー蛇拳』で監督デビューを果たすと同作は大ヒット、続く『ドランクモンキー酔拳』はさらなる大ヒットとなって一躍人気監督の仲間入りを果たすと同時に、80年には実弟を中心にした袁家班(ユエン・アクションチーム)を結成して数多くの作品で武術指導やスタント設計を行った。84年には袁家班のメンバーでもあったドニー・イェンの初主演作『ドラゴン酔太極拳』を監督、93年にはツイ・ハーク監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱』で香港電影金像奨最優秀動作指導賞を受賞した。90年代後半にはハリウッドに招かれ『マトリックス』3部作(99、03)や『グリーン・デスティニー』(00)、『キル・ビル』(03)、『ドラゴン・キングダム』(08)などの武術指導を担当、中国語映画でも『カンフー・ハッスル』(04)、『SPIRIT スピリット』(06)、『女帝[エンペラー]』(06)、『グランド・マスター』(13)、『イップ・マン継承』(16)などの大作を手がけ、その名は世界に知れ渡っている。


<主な監督作>
『スネーキーモンキー蛇拳』(78)
『ドランクモンキー酔拳』(78)
『燃えよデブゴン7』(80・未)
『ツーフィンガー鷹』(81)
『激突!キング・オブ・カンフー』(82・未)
『ミラクル・ファイター』(82・未)
『妖怪道士』(83・未)
『ドラゴン酔太極拳』(84・未)
『キョンシー・キッズ精霊道士』(86・未)
『タイガー刑事』(88・未)
『クライム・キーパー香港捜査官』(89・未)
『タイガー・コネクション』(90・未)
『マスター・オブ・リアル・カンフー大地無限』(93・未)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー』(93)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地雷鳴』(93・未)
『レディ・ファイター詠春拳伝説』(94・未)
『ファイヤードラゴン火雲伝奇』(94・未)
『マスター・オブ・リアル・カンフー大地無限2』(96・未)
『酔拳レジェンド・オブ・カンフー』(10)
『ソード・オブ・デスティニー』(16・未)
『奇門遁甲』(17)